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論文

Polymer photonic crystals prepared by triblock copolymerization-induced ${it in situ}$ microphase separation

磯崎 祐嘉*; 東原口 誠也*; 金子 直矢*; 山崎 駿*; 谷口 竜王*; 唐津 孝*; 上田 祐生; 元川 竜平

Chemistry Letters, 51(6), p.625 - 628, 2022/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:29.84(Chemistry, Multidisciplinary)

Polymer photonic crystals (PPCs) that selectively reflect visible light were prepared by triblock polymerization-induced ${it in situ}$ microphase separation via reversible addition-fragmentation chain transfer polymerization. The addition of homopolymer to the polymerization system swelled a specific phase of the microdomains, enabling the preparation of PPCs with long-wavelength structural colors. Small-angle neutron scattering confirmed the increase in the domain spacing of the lamellar microdomains with the addition of homopolymer, while maintaining their morphology.

論文

Crystalline fully carboxylated polyacetylene obtained under high pressure as a Li-ion battery anode material

Wang, X.*; Tang, X.*; Zhang, P.*; Wang, Y.*; Gao, D.*; Liu, J.*; Hui, K.*; Wang, Y.*; Dong, X.*; 服部 高典; et al.

Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 12(50), p.12055 - 12061, 2021/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.89(Chemistry, Physical)

置換ポリアセチレンは、ポリアセチレン骨格の化学的安定性,物性,付加機能の向上が期待されるが、その多様性は非常に限られている。今回我々は、固体のアセチレンジカルボン酸に外圧を加えることにより、従来の方法では合成が非常に困難であったトランス-ポリアセチレン骨格上のすべての炭素がカルボキシル基に結合した結晶性のポリ-ジカルボキシルアセチレンができることを報告する。重合は、水素結合を利用したトポケミカル反応であった。このユニークな構造は、カルボニル基の極めて高い含有量とポリアセチレン骨格の高い導電性を組み合わせたもので、リチウムイオン電池(LIB)負極として高い比容量と優れたサイクル/レート性能を示す。我々は、完全に機能化された結晶性ポリアセチレンを紹介し、高分子LIB材料や活性基を多く含む高分子材料合成のために圧力重合が有力な方法であることを提案する。

論文

Phase transition and chemical reactivity of 1H-tetrazole under high pressure up to 100 GPa

Gao, D.*; Tang, X.*; Wang, X.*; Yang, X.*; Zhang, P.*; Che, G.*; Han, J.*; 服部 高典; Wang, Y.*; Dong, X.*; et al.

Physical Chemistry Chemical Physics, 23(35), p.19503 - 19510, 2021/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:36.54(Chemistry, Physical)

窒素に富む分子の圧力有機相転移や重合は、環境にやさしい高エネルギー密度材料の開発にとって非常に重要であるため、広く注目されている。本論文では、その場ラマン,IR,X線回折,中性子回折、および理論計算をもちい、100GPaまでの1H-テトラゾールの相転移挙動と化学反応の研究を紹介する。2.6GPa以上での相転移が確認され、その高圧構造は、以前に報告されたユニットセル内に2つの分子をもつものではなく、1つの分子をものであることが分かった。1H-テトラゾールは、おそらく窒素-窒素結合ではなく炭素-窒素結合により、100GPa以下で可逆的に重合する。私たちの研究は、1H-テトラゾールの高圧相の構造モデルを更新し、もっともらしい分子間結合の経路を初めて提示した。これにより、窒素に富む化合物の相転移と化学反応の理解が進み、新しい高エネルギー密度材料の設計に役立つと考えられる。

論文

Internal strain distribution of laser lap joints in steel under loading studied by high-energy synchrotron radiation X-rays

菖蒲 敬久; 城 鮎美*; 河野 史明*; 村松 壽晴; 山田 知典; 永沼 正行; 小澤 隆之

Quantum Beam Science (Internet), 5(2), p.17_1 - 17_9, 2021/06

自動車産業は、照射面の反対側に照射痕を発生させることなく高エネルギー密度を実現するため、レーザービーム溶接を採用している。ひずみゲージや管球X線などの一般的な測定手法では、接合部の溶接部での局所的なひずみを評価できない。本研究では、高エネルギー放射光X線回折を使用して、高温かつ荷重下でのレーザー重ね継手PNC-FMS鋼(厚さ2および5mm)の内部ひずみ分布を計測した。その結果、引張荷重が増加すると、局所的な引張ひずみと圧縮ひずみが界面近くで増加した。これらの分布は、有限要素解析の結果とよく一致した。ただし、当該分布はレーザー加工によって発生する欠陥に依存するため、X線透過イメージングによる内部欠陥観察を補完的に利用することが不可欠であることもわかった。

論文

Distance-selected topochemical dehydro-diels-alder reaction of 1,4-Diphenylbutadiyne toward crystalline graphitic nanoribbons

Zhang, P.*; Tang, X.*; Wang, Y.*; Wang, X.*; Gao, D.*; Li, Y.*; Zheng, H.*; Wang, Y.*; Wang, X.*; Fu, R.*; et al.

Journal of the American Chemical Society, 142(41), p.17662 - 17669, 2020/10

 被引用回数:21 パーセンタイル:74.59(Chemistry, Multidisciplinary)

固体トポケミカル重合(SSTP)は機能的な結晶性高分子材料を合成するための有望な方法であるが、溶液中で起こるさまざまな反応とは対照的に、非常に限られたタイプのSSTP反応しか報告されていない。ディールス・アルダー(DA)および脱水素-DA(DDA)反応は、溶液中で六員環を作るための教科書的反応であるが、固相合成ではほとんど見られない。本研究では、固体の1,4-ジフェニルブタジイン(DPB)を10-20GPaに加圧することで、フェニル基がジエノフィルとして、DDA反応することを複数の最先端の手法を用いて明らかにした。臨界圧力での結晶構造は、この反応が「距離選択的」であることを示している。つまり、フェニルとフェニルエチニル間の距離3.2${AA}$は、DDA反応は起こせるが、他のDDAや1,4-付加反応で結合を形成するには長すぎる。回収された試料は結晶性の肘掛け椅子型のグラファイトナノリボンであるため、今回の研究結果は、原子スケールの制御で結晶質炭素材料を合成するための新しい道を開く。

論文

Development of a structured overset Navier-Stokes solver with a moving grid and full multigrid method

大橋 訓英*; 日野 孝則*; 小林 寛*; 小野寺 直幸; 坂本 信晶*

Journal of Marine Science and Technology, 24(3), p.884 - 901, 2019/09

 被引用回数:16 パーセンタイル:76.61(Engineering, Marine)

船舶の運動解析に向けて、移動重合格子に対して非定常レイノルズ平均モデルによる解析手法を構築した。解析手法の定式化として、圧力と速度の連成は弱圧縮性近似による手法を採用するとともに、複雑な船体運動は格子変形手法および対流項補正によって実現している。本研究では、マルチグリッド法による圧力Poisson方程式の解法を導入することで計算の高速化を実現した。重合格子に対する複雑なマルチグリッド法においても、各解像度および重合格子の接続情報に従って圧力の修正を行うことで、連続の式を満足している。以上の解析手法により、定常波を含む船舶周りの流れの計算が実現された。

論文

Pressure-induced Diels-Alder reactions in C$$_{6}$$H$$_{6}$$ - C$$_{6}$$F$$_{6}$$ cocrystal towards graphane structure

Wang, Y.*; Dong, X.*; Tang, X.*; Zheng, H.*; Li, K.*; Lin, X.*; Fang, L.*; Sun, G.*; Chen, X.*; Xie, L.*; et al.

Angewandte Chemie; International Edition, 58(5), p.1468 - 1473, 2019/01

 被引用回数:35 パーセンタイル:80.07(Chemistry, Multidisciplinary)

芳香族の圧力誘起重合反応(PIP)は、sp$$^{3}$$炭素骨格を構築するための新しい方法であり、ベンゼンとその誘導体を圧縮することによってダイヤモンド様構造を有するナノスレッドを合成した。ここで、ベンゼン-ヘキサフルオロベンゼン共結晶(CHCF)を圧縮することにより、PIP生成物中に層状構造を有するH-F置換グラフェンを同定した。その場中性子回折から決定された結晶構造およびガスクロマトグラフィー質量スペクトルによって同定された中間生成物に基づいて、20GPaでは、CHCFがベンゼンおよびヘキサフルオロベンゼンを交互に積み重ねた傾斜カラムを形成し、それらが[4+2]重合体に転化し、次いで、短距離秩序を持つ水素化フッ素化グラフェンに変化する。反応プロセスは[4+2]ディールス-アルダー, レトロディールス-アルダー、および1-1'カップリング反応を含み、前者はPIPの重要な反応である。われわれの研究は、CHCFの素反応を初めて確認した。これは、芳香族化合物のPIPについての新しい見方を提供する。

論文

Fluoropolymer-based nanostructured membranes created by swift-heavy-ion irradiation and their energy and environmental applications

八巻 徹也*; Nuryanthi, N.*; 喜多村 茜; 越川 博*; 澤田 真一*; Voss, K.-O.*; Severin, D.*; Tautmann, C.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 435, p.162 - 168, 2018/11

 被引用回数:8 パーセンタイル:62.99(Instruments & Instrumentation)

フッ素系高分子膜(PVDF及びETFE)に直径数十から数百nmのイオントラックを作製し、化学エッチング処理によってイオン穿孔を、またグラフト重合によってイオン交換膜を作製する技術をそれぞれ開発した。PVDF膜におけるイオン穿孔膜に関しては、穿孔径がLETに依存することがわかり、高い精度で形状制御が可能であることを示した。また、グラフト重合によるETFEのイオン交換膜は燃料電池の電解質膜に適することを示した。このように我々が開発した技術は、水質管理や石油精製などのろ過技術、及び燃料電池の分野に貢献する。

論文

Preparation of nano-structure controlled ion-exchange membranes by ion beams and their application to seawater concentration

八巻 徹也*; 後藤 光暁*; 澤田 真一*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*

QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 35, 2018/03

本研究では、重イオンビームグラフト重合法によりイオン交換膜を作製する手法を開発し、海水濃縮に応用した。フッ素樹脂(ETFE)の基材に対して、560MeVのXeビームをフルエンス3$$times$$10$$^{8}$$ $$sim$$1$$times$$10$$^{9}$$ions/sm$$^{2}$$で照射し、その後、スチレンスルホン酸エチルエステルのグラフトと加水分解及び、クロロメチルスチレンのグラフトと四級化によってイオン交換膜を得た。イオン交換容量は2.0$$sim$$2.5mmol/gに調節した。作製した膜の吸水率及び抵抗値は、従来の$$gamma$$線照射膜に比べて低い結果を示し、海水濃縮に適することがわかった。これは、イオンビームによってナノメートルスケールの局所的かつ高密度なエネルギー付与を制御した結果である。なお、フルエンス3$$times$$10$$^{8}$$ions/sm$$^{2}$$の場合、イオントラック径は250nmで、全体に占める体積の割合はわずか14%であった。

論文

接ぎ木高分子鎖に固定した核酸塩基及び抽出試薬によるレアメタルの回収

斎藤 恭一*; 浅井 志保

分析化学, 66(11), p.771 - 782, 2017/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.41(Chemistry, Analytical)

レアメタルは、高機能材料の原料として注目を集めているが、一般に、回収・精製が困難であることが多く、選択的かつ効率的に捕集できる材料が求められている。そこで、本研究では、高分子材料の改質法の一つである放射線グラフト重合法を適用して、レアメタルイオンを効率的に捕集する高分子吸着材を作製し、それらの実用性能を実証した。例えば、核酸塩基の一つであるアデニンを、ポリエチレン多孔性中空糸膜や6-ナイロン繊維に接ぎ木(グラフト)した高分子鎖に固定し、パラジウムやルテニウムのイオン種を特異的に捕捉する材料を作製した。また、希土類元素に選択性を有する抽出試薬であるリン酸ビス(2-エチルヘキシル)(略称: HDEHP)をポリエチレン多孔性シートにグラフトした高分子鎖に担持し、カラムに充填して、ネオジムとジスプロシウムの溶出クロマトグラフィーに適用した。HDEHP担持樹脂カラムに比べて、HDEHP担持繊維充填カラムは高速で分離できることを実証した。

論文

微量放射性物質の測定前処理用固相抽出カートリッジの作製

浅井 志保; 斎藤 恭一*

Biomedical Research on Trace Elements, 28(1), p.1 - 10, 2017/04

放射性物質の定量分析には、一般に、放射線計測器あるいは質量分析計が用いられる。放射性物質のうち、透過力の強い$$gamma$$線放出核種は、非破壊測定が可能であり、化学分離などの前処理なしで測定できる。一方、アルファ線およびベータ線放出核種では、共存する放射性物質が放出するアルファ線やベータ線によって干渉を受けるため、測定前に化学分離によってそれらを除去する。また、質量分析においても、試料中に同重体やその他の干渉元素が共存する場合は、化学分離によって除去してから測定する。しかしながら、こうした化学分離操作は、しばしば煩雑で長時間を要するため、迅速かつ確実に化学分離できる分離材料が求められている。本稿では、放射性物質の測定前処理の迅速化を目的として作製した固相抽出カートリッジについて、その基本分離性能と適用例を紹介する。

論文

繊維に接ぎ木した高分子鎖に絡めた無機化合物を利用する放射性物質の除去

斎藤 恭一*; 小島 隆*; 浅井 志保

分析化学, 66(4), p.233 - 242, 2017/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.41(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所では、放射性セシウムおよび放射性ストロンチウムを含む汚染水が毎日多量に発生している。本研究では、汚染水を効率的に浄化するため、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$を捕捉する無機結晶が担持された繊維を作製した。担持する無機結晶には、それぞれ、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$に優れた選択性を持つ不溶性フェロシアン化コバルトおよびチタン酸ナトリウムを選んだ。これらの無機化合物の沈殿を、放射線グラフト重合法によって市販の6-ナイロン繊維に接ぎ木した高分子鎖(グラフト鎖)内で析出させることにより、繊維表面に担持した。得られた沈殿は、多点の静電相互作用に基づいてグラフト鎖に巻き絡まるため、安定担持が実現する。本研究で提案する不溶性フェロシアン化コバルトあるいはチタン酸ナトリウム担持繊維は、従来の粒子状吸着材、例えば、ゼオライトやSrTreat(チタン酸ナトリウム担持樹脂)に比べて、吸着速度が大きく、無機化合物重量あたりの吸着量も大きくなった。

論文

Phase transitions and polymerization of C$$_{6}$$H$$_{6}$$-C$$_{6}$$F$$_{6}$$ cocrystal under extreme conditions

Wang, Y.*; Wang, L.*; Zheng, H.*; Li, K.*; Andrzejewski, M.*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; Katrusiak, A.*; Meng, Y.*; Liao, F.*; et al.

Journal of Physical Chemistry C, 120(51), p.29510 - 29519, 2016/12

 被引用回数:23 パーセンタイル:62.07(Chemistry, Physical)

芳香族分子を加圧重合(PIP)すると飽和炭素ナノ構造を作ることができる。強く$$pi$$-$$pi$$結合した積層ユニットとしてC$$_{6}$$H$$_{6}$$-C$$_{6}$$F$$_{6}$$不可物は超分子化学に広く適用され、PIPのよい事前構造体を提供する。本研究では、高圧下におけるC$$_{6}$$H$$_{6}$$-C$$_{6}$$F$$_{6}$$共結晶の構造変化とその後のPIPプロセスを調べた。ラマン分光、IR、シンクロトロンX線および中性子回折によって、4つの新しい分子複合体相V、VI、VIIおよびVIIIが同定され、特徴づけられた。V相は、低温で観察される相とは異なり、傾斜した柱状構造を有する。VI相およびVII相は、V相と類似の構造を有する。VIII相は、触媒なしで25GPa以上で不可逆的に重合し、sp$$^{3}$$(CH/F)$$_{n}$$物質を生成する。$$pi$$-$$pi$$の相互作用は、0.5GPa以下でも依然として支配的であるが、さらに高圧下では過度に進行する。この現象は、超分子相転移および重合プロセスを議論するために重要である。

論文

Ion-track grafting of vinylbenzyl chloride into poly(ethylene-$$co$$-tetrafluoroethylene) films using different media

Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(4), p.359 - 362, 2015/12

ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討した。反応媒質として純水(H$$_{2}$$O)とイソプロピルアルコール($$i$$PrOH)の混合液を用いた場合、560MeV $$^{129}$$Xeビームによるグラフト率は、H$$_{2}$$O/$$i$$PrOH比の増大とともに高くなり、H$$_{2}$$Oのみのとき最大となった。この結果は、いわゆるゲル効果に類似した現象を考えれば理解できる。すなわち、グラフト鎖は貧溶媒の存在下で反応媒質に不溶となって凝集し、他の鎖との再結合(言い換えれば停止反応)が抑制されることに起因すると考えられる。

論文

放射線によるモノづくりに携わって

玉田 正男

放射線化学(インターネット), (100), P. 16, 2015/10

放射線を駆使した研究開発とそのマネジメントに携わって、35年、捕集材による温泉水中のレアメタルの捕集は特にマスコミの注目を受け、数多くの新聞やNHKの「おはよう日本」などのテレビ報道で大きな反響を呼んだ。捕集実験は群馬県にある自然湧出量が日本一である草津温泉で行った。朝8時からの生放送では、6時から現地にスタンバイしたこともあった。また、モノマーを界面活性剤により水に安定に分散して行うエマルショングラフト重合の発案は、捕集材を作製するコストをいかに抑えるかという問題の解決に繋がり、半導体洗浄液中のppbレベルの金属除去フィルターやセシウム吸着材の技術移転の道を切り開くことができた。

論文

水域に飛散したセシウムを捕集する材料の開発

瀬古 典明; 柴田 卓弥; 笠井 昇; 植木 悠二; 佐伯 誠一; 保科 宏行

放射線と産業, (138), p.9 - 12, 2015/06

福島の原子力発電所災害以降、環境資源材料研究グループでは環境中の水域に飛散した放射性物質のうち、特にセシウムに対して効果のある捕集材料の開発を進めてきた。これまでの実績から水に対して接触効率が良好で、取り扱いの簡便な不織布繊維を基材に用い、これにセシウムに対して親和性のある吸着基を量子ビーム技術を活用した放射線グラフト重合技術により導入した。材料の評価では、福島被災地の各所で実施したフィールドテストで評価を重ね、最終的には井戸水, 沢水を対象にした飲用水向けのモニター試験を進め、その良好な結果から給水器の発売に繋げた経緯について紹介する。

論文

吸着繊維を用いた閉鎖域内汚染海水からのセシウムの除去

染谷 孝明*; 浅井 志保; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 梅野 太輔*; 斎藤 恭一*

日本海水学会誌, 69(1), p.42 - 48, 2015/02

東京電力福島第一原子力発電所の第1-4号機取水路前には放射性セシウム等で汚染された海水が堤防やシルトフェンスに仕切られて貯留されている。著者らは、汚染水中からセシウムを高速除去する吸着材として、市販の6-ナイロン繊維に不溶性フェロシアン化コバルト微粒子を担持したセシウム吸着繊維を作製した。この繊維を芯材に巻いてワインドフィルターにして汚染水をポンプで流通させる、あるいはセシウム吸着繊維を組み紐にして汚染水に浸漬させることを想定し、物質収支式、吸着等温式、および吸着速度式を用いて除染に必要となるセシウム吸着繊維の重量および接触時間を推算した。平衡に達するまでの汚染水接触時間は約15分であり、短時間で十分にセシウムを除去できることがわかった。

論文

The Volume reduction method of radioactively-contaminated plant waste through extraction and removal of radioactive cesium

佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 植木 悠二; 笠井 昇; 瀬古 典明

日本イオン交換学会誌, 25(4), p.170 - 175, 2014/11

After Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accidents, a lot of contaminated wastes have been produced by decontamination works at contaminated areas around Fukushima prefecture, Japan. At some temporary storage sites, it was found that contaminated leaching water was accumulated under stacks of contaminated "plant" wastes. To handle the wastes and the solution properly, decontamination tests of the leaching water were examined with molybdophosphate type cesium adsorbents synthesized by radiation-induced grafting method. At batch adsorption tests, 75% of radioactive cesium was successfully removed with cesium adsorbents. At column adsorption tests, radioactivity concentration of the leaching water could be reduced under provisional limit value up to around 500 times volume as large as an adsorbent volume. For development of volume reduction method of contaminated plant wastes, radioactive cesium extraction tests from the wastes and removal tests from the extracts were executed using contaminated oil cakes of sunflower seeds as a model of contaminated plant wastes. As a result, 65% of radioactive cesium was successfully extracted from the oil cakes to liquid phase, and more than 65% of radioactive cesium could be collected from the extract by grafted cesium adsorbents. These results showed a possibility of an application of these processes to volume reduction method for contaminated plant wastes.

論文

Evaluation of the scandium affinity under the iron coexistence using radiation grafted adsorbents

林 菜月*; 保科 宏行; 天田 春代; 山延 健*; 瀬古 典明

日本イオン交換学会誌, 25(4), p.105 - 108, 2014/11

A fibrous phosphoric acid adsorbents for scandium were synthesized by radiation graft polymerization of glycidyl methacrylate (GMA), subsequent chemical modification, and direct grafting with a phosphoric monomer having both vinyl and phosphoric groups onto a polypropylene coated by polyethylene nonwoven fabric. The resultant grafted fibrous phosphoric acid adsorbent (HMP-g) having long side grafted chains has high affinity for scandium (Sc) ions even under the coexistence with Fe ion. The breakthrough capacity for Sc of 0.5 ppm with Fe coexistence was 10.9 mol-Sc per kg-adsorbent for the GMA derivative phosphoric adsorbent, and 17.8 mol-Sc per kg-adsorbent for HMP-g, respectively.

論文

Optimization of grafted fibrous polymer as a solid basic catalyst for biodiesel fuel production

植木 悠二; 佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 笠井 昇; 瀬古 典明

International Journal of Organic Chemistry, 4(2), p.91 - 105, 2014/06

第4級アミン基を有する繊維状グラフト重合体は、高性能なバイオディーゼル燃料(BDF)製造用触媒として機能する。本研究では、効率的なBDF製造を可能とする繊維状グラフト重合体、及び、エステル交換反応条件の最適化を実施した。触媒性能は、トリグリセリド(TG)とエタノール(EtOH)とのバッチ式エステル交換反応により評価した。触媒に導入する最適アミノ基はトリメチルアミンであり、最適グラフト率は170%であった。エステル交換反応における各要素の最適条件を検討した結果、アミン基導入量は0.8mmol、反応温度は80$$^{circ}$$C、TGとEtOHの混合比率は1:200、アルコールは1-ペンタノールでることを見出した。また、本触媒は天然油脂を出発原料とするBDF製造にも適用可能であった。更に、有機酸処理、アルカリ処理、アルコール処理を順次実施することにより、失活した触媒の活性を初期値まで回復させることに成功した。

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